婚前契約書作成・公正証書サポート(東京・池袋)

婚前契約
目次

二人と家族を守る「婚前契約書(プレナップ)」、結婚前に作りませんか?

結婚は人生で最も大きな契約のひとつですが、その中身を事前に話し合う機会は意外と少ないものです。

「結婚前の貯金や親から相続した財産まで、離婚のとき半分になるとは思わなかった」 「生活費や家事の分担は、最初にきちんと決めておけばよかった」 「会社の株式が財産分与の対象になり、経営に影響が出た」

こうした事態を防ぐには、結婚前に、財産の扱い・生活費の分担・万一のときの清算方法・日々の暮らしのルールを話し合って書面にしておくことが有効です。それが婚前契約書(プレナップ)です。日本の民法にも「夫婦財産契約」という制度がありますが、これまであまり使われてきませんでした。近年は経営者や再婚の方だけでなく、共働きで互いのキャリアや資産を尊重したいカップルにも広がっています。

当事務所では、子どもがいる状態で離婚した経験を持つ行政書士が実体験と実務に基づいて、婚前契約書をご提案しています。

こんな方はご相談ください

  • 会社経営者・個人事業主・資産管理会社のオーナーで、自社株や事業用資産の扱いを結婚前に整理しておきたい方
  • 財産よりも、家事分担・お金の管理・親族づきあいなどの生活ルールを言語化して結婚生活のスタートを整えたい方
  • 婚前に築いた預貯金・不動産や、将来相続する予定の財産を特有財産として明確にしておきたい方
  • 再婚で、前婚のお子さんへの配慮と新しい家庭とのバランスをとりたい方
  • 前回の離婚で苦労したことを、今度は最初から決めておきたい方
  • 熟年結婚や事実婚(パートナーシップ)で、生活費・住まい・万一のときの取り決めを書面にしておきたい方

婚前契約書とは? ── 「3つの層」で整理すると分かりやすくなります

婚前契約書は1通の書面ですが、法的な性質が異なる3種類の取り決めが混ざっています。この違いを意識せずに作ると、「有効だと思っていた条項が、いざというときに機能しない」ということが起こります。

第1層:夫婦財産契約(民法755条)── 結婚生活中の財産ルール

民法は、婚姻届出前に別段の契約をしなかったときは法定財産制によると定めています(755条)。法定財産制の中身は、婚姻費用の分担(760条)、日常家事債務の連帯責任(761条)、夫婦別産制(762条)の3つです。この法定財産制と異なるルール、たとえば「特有財産と共有財産の範囲をどう線引きするか」「財産の管理や生活費の口座をどうするか」を定めるのが夫婦財産契約です。婚姻届出前にしか締結できず、婚姻後は原則として変更できません(758条1項)。法務局に登記をすれば第三者にも主張できる制度がありますが、実務では登記をせずに夫婦間の契約として作成するケースが多く、当事務所も登記を伴わない婚前契約書を対象としています。

第2層:離婚時の清算などに関する合意 ── 財産分与・慰謝料・子どものこと

「離婚するときは共有財産をこの割合で分ける」「互いの特有財産には財産分与を請求しない」といった離婚時の取り決めは、厳密には民法755条の対象ではなく、契約自由の原則に基づく別の合意です。ここが婚前契約書で最も注意が必要な部分です。財産分与は「夫婦が協力して築いた財産を公平に清算する制度」なので、裁判所は当事者の合意に完全には拘束されません。両性の本質的平等に立ち、婚姻中の財産形成への貢献を精確に反映した合理的な内容で、対等な立場と十分な情報のもとで作られた合意ほど尊重されやすく、逆に一方に極端に不利な内容や、その場しのぎで作られた書面は、心裡留保や公序良俗違反などの構成で効力を否定・修正されることがあります。米国のプレナップのように離婚条件を完全に固定できるわけではない、というのが日本法の前提です。

第3層:生活ルール・紳士規定 ── 家事分担、お金の使い方、親族づきあい

家事や育児の分担、大きな支出の事前相談、仕事や趣味への理解、健康維持、義理の家族との関わり方、SNSでの発信の約束など、法律上の権利義務とは言えない事項も婚前契約書に盛り込めます。違反しても直ちに法的な制裁があるわけではありませんが、結婚前に価値観を言語化してすり合わせること自体に大きな意味があります。実務では「紳士規定」として、法的な条項と区別して記載します。

2026年4月の法改正と婚前契約

令和6年に成立した改正民法が2026年4月1日に施行され、婚前契約の位置づけにも影響しています。

  • 「離婚時の財産分与は原則として2分の1ずつ」というルールが条文に明記されました(民法768条3項)。原則折半が明文化されたことで、自社株や事業用資産を持つ方が、どこまでが二人の財産でどこからが自分の財産かを事前に整理しておく意味は、むしろ大きくなっています。
  • 財産分与を請求できる期間が、離婚後2年から5年に延びました。
  • 裁判所が当事者に財産の状況の開示を命じられる制度ができました。結婚前に互いの財産を目録にして残しておくことは、契約の有効性を高めるだけでなく、透明性の面でも意味があります。
  • 「夫婦の間で交わした契約は結婚中いつでも一方から取り消せる」という古い規定(旧754条)が削除され、結婚後の夫婦間の合意書も安定した効力を持つようになりました。ただし、民法755条の夫婦財産契約そのものは、従来どおり婚姻届出前に締結する必要があります。

婚前契約書で決められること(主な条項)

お二人の状況に応じて取捨選択します。すべてを盛り込む必要はありません。

財産に関する事項(第1層)

  • 財産の開示
    預貯金・有価証券・不動産・事業持分・暗号資産・負債などを別紙の財産目録として添付します
  • 特有財産の範囲
    婚前財産、相続・贈与で得た財産、それらの果実(賃料・配当・利息、暗号資産のステーキング報酬など)や代替物(特有財産を原資に取得した財産)、特有財産を担保にした借入で取得した資産の扱い
  • 共有財産の範囲
    共有財産に含める財産の線引きと、特有財産から共有財産へ組み入れる方法(例:共有口座への送金に限る)
  • 財産の管理と居住用不動産
    各財産の管理・使用収益の方法と、居住用不動産の扱い
  • 婚姻費用(生活費)の分担
    分担割合、共有口座の運用、婚姻費用に含まれない個人的な支出のルール
  • 債務の負担
    婚前の負債、事業上の借入、日常家事債務以外の個別債務の帰属

離婚時に関する事項(第2層)

  • 財産分与の対象となる財産の範囲。協議離婚・調停離婚・裁判離婚など離婚の種類を問わず適用される旨も明記します
  • 分与の割合、清算の方法(現物分割・換価・価格賠償)、非上場株式・不動産・新株予約権など評価が難しい財産の評価方法
  • 収入差がある場合の扶養的な配慮(社会復帰までの一定期間の生活費など)
  • 不貞行為があった場合の慰謝料額の目安(過大な金額は無効のリスクがあります)
  • 子どもに関すること:教育方針、養育費・教育費の考え方、面会交流の目安(子の福祉が優先されるため、あくまで目安としての合意です)

生活に関する事項(第3層)

  • 家事・育児の分担、お金の使い方、仕事・趣味・信仰への理解、義理の家族との関わり方、健康維持、SNSでの発信 など

契約全体に関する事項

  • 真意で締結したこと、十分な情報開示と協議期間があったことを確認する表明・確認条項
  • 定めのない事項の協議条項、事情変更時の見直し方法
  • 変更・廃止の手続、国際結婚の場合の準拠法

決められないこと・無効になるおそれがある条項

契約自由といっても、婚姻の本質や公序良俗に反する内容は無効と判断されるおそれがあります。実務書で危険とされている代表例は次のとおりです。

  • 同居・協力・扶助の義務を否定する条項
  • 著しく男女不平等な内容を是認する条項
  • 日常家事債務の連帯責任を否定する条項
  • 一方の申し出により自由に離婚できる旨の条項
  • 財産分与額を不当に低く定める条項(相手の生活が成り立たないような内容)

実際に、婚前に作成された誓約書について、「一方が自由に申し出ることでいつでも離婚できる」旨の条項を公序良俗違反で無効とし、あわせて財産分与に関する定めも文言上「協議離婚をした場合」しか想定していないとして、裁判離婚には効力が及ばないと判断した裁判例があります(東京地判平成15年9月26日)。条項の中身だけでなく、「どの場面に適用されるか」を明記することがいかに重要かを示す事例です。

また、次の事項は婚前契約書だけでは処理できません。

  • 相続に関する事項
    日本の民法では相続契約は認められていません。「特有財産は前婚の子に相続させたい」「自宅は配偶者に残したい」という希望は、婚前契約書に確認事項として書きつつ、別途遺言書で実現します(遺留分の放棄には家庭裁判所の許可が必要です)。
  • 親権者の事前指定
    離婚時の親権は子の利益に基づいて判断されるため、事前に確定させることはできません。養育費や面会交流の取り決めも、子の福祉の観点から後に変更されることがあります。

公正証書にしておくべき? ── 署名押印のみの契約書との違い

比較項目署名押印のみの契約書(私文書)公正証書
主な効果合意内容の証拠になる公証人が本人確認・意思確認をするため、成立や真意が争われにくい。金銭の支払約束に強制執行認諾文言を付ければ、不払い時に裁判を経ずに強制執行できる
費用の目安作成報酬のみ作成報酬+公証人手数料(内容・目的の価額により変動)
留意点真意性が争われたときの証明力は相対的に弱い公証役場との日程調整のため余裕が必要
向いている場合生活ルール中心の契約金銭の支払約束や財産条項を含む多くのケース

多くのケースでは公正証書での作成をお勧めしています。

ご依頼の流れ

STEP
お問い合わせ

フォームまたはお電話で。ご入籍のご予定日が決まっていれば、あわせてお知らせください。

STEP
無料相談(オンライン可)

ご状況とご希望を丁寧にうかがい、必要な手続きの流れや最適なサポート内容についてご案内します。

STEP
お見積り・ご契約

お見積りをご提示し、着手金のご入金をもって作成に取りかかります。

STEP
ヒアリング・原案の作成

ヒアリングした内容をもとに原案を作成します。

STEP
公正証書の作成(又は私署証書の納品)

公正証書にする場合は、公証役場との事前調整・必要書類のご案内から当日の代理出頭まで対応します。私署証書にする場合は、署名・押印していただくための手順をお伝えし、完成した契約書データを納品した時点で完了となります。

※ 結婚生活中の財産ルールを定める部分(夫婦財産契約)は、婚姻届の提出前に締結する必要があります。

費用目安(※税込)

婚前契約書(私文書)作成サポート110,000円〜
公正証書化フルサポート (代理人出頭対応可能)165,000円〜

※公正証書を作成する場合、上記報酬とは別に公証役場へ支払う手数料(数万円程度)が必要となります。

よくある質問

婚前契約書と夫婦財産契約は同じものですか?

夫婦財産契約は、婚前契約書の中でも「結婚生活中の財産ルール」を定める部分を指す法律上の用語です。婚前契約書には、そのほかに離婚時の合意や生活ルールも含まれる場合もあり、上で説明したその「結婚生活中の財産ルール」が夫婦財産契約にあたります。

入籍後でも作れますか?

民法755条の夫婦財産契約は婚姻届出前にしか締結できません。ただし、財産の管理や離婚時の合意、生活ルールについて夫婦間で合意書を作ることは結婚後も可能です。2026年4月の改正で夫婦間契約の取消権(旧754条)が廃止されたため、結婚後の合意書も一般の契約と同様に安定した効力を持ちます。当事務所でも対応しています。

結婚後に内容を見直せますか?

婚前契約の内で夫婦財産契約の部分は婚姻後に変更できないのが原則です。一方、離婚時の合意や生活ルールは、書面による合意で見直せます。契約書には変更の手続をあらかじめ定めておきます。

相手に「信用されていないみたい」と思われそうで、切り出しにくいのですが。

婚前契約書は、資産を守るためだけのものではなく、生活費の分担や家事分担、万一のときにも互いの生活が成り立つ配慮を書面にする、「守るための書面」でありご夫婦双方のためのものです。

財産をすべて開示しないといけませんか?

法律上の義務ではないので必ずしも開示する必要はありませんが、「十分な情報のもとで合意したのか」を補強して、の有効性を強くする方法の一つです。ご希望に応じて対応します。

子どもの親権や養育費を決めておけますか?

親権者を事前に確定させることはできません。養育費・教育費・面会交流の考え方は目安として定めることができますが、子の福祉の観点から後に変更されることがあります。

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